■記事

福山城本丸 紙模型に
・再建なく史料少ない「御殿」も
・高校教諭ら製作 駅前で展示

福山藩主水野勝成が1622年に築いた福山城の本丸の紙模型を、府中東高の教諭たち2人が作った。明治期までに撤去され、再建もされていない城主の居館「本丸御殿」もある。5日、城に近いJR福山駅前で展示を始めた。
手掛けたのは同校の原田洋臣教諭(59)=福山市水呑町=と、駅前で理容院を営む横溝誠社長(48)。原田教諭が城の平面図や研究者の推定を基に、伏見城から移築された建物を含む中央の本丸御殿、天守閣などを300分の1の図面にし、組み立てた。横溝社長は色塗りなどをした。
本丸の模型は福山城博物館内にもあるが、史料が少ない本丸御殿を再現していない。このため城を核とする駅前活性化を目指す横溝社長が2004年、建築模型作りを教えてる原田教諭に製作を依頼。仕事の合間に作業を重ね、構想から9年で展示にこぎつけた。
本丸御殿があった天守閣の南側は現在、広場。横溝社長は「模型を見て築造時の城の立派さに思いをはせ、福山に誇りを持ってもらえれば」と期待。原田教諭は「引き続き二の丸を模型で再現したい」と意気込む。
模型は17日まで東桜町のNHK福山支局1階ギャラリーで見ることができる。無料。その後も随時市内で展示する。